ポーラスター矯正歯科・小児歯科たまプラーザ|症例・お知らせ・コラム一覧

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6歳臼歯について

6歳臼歯について

ブログ 2021/08/18

ホワイト歯列矯正クリニック・たまプラーザ 院長の志賀です。
今回は6歳臼歯についてお話ししていきます。
この歯、実は噛み合わせにとって非常に大事な歯なのです。

 


 

6才臼歯とは?
下記の図に示した赤いの部分から出てくる大人の歯(永久歯)のことです。

「えっ?大人の歯って子どもの歯(乳歯)と入れ替わって出てくるじゃないの?」と思われた方も多いかもしれません。
基本的には永久歯は乳歯と入れ替わって出てきます。
しかし、この6歳臼歯とその更に後ろに生える12歳臼歯、上下左右合計8本の永久歯は、乳歯と入れ替わりではなく乳歯の歯並びの後ろから生えてきます。
「まだ6歳なのに親知らずが生えてきた」と歯科医院を受診される患者さまもいらっしゃいますが、これは親知らずではなく6歳臼歯。
平均して6歳頃に生えてくるので6歳臼歯と呼ばれています。
そして12歳臼歯はその名の通り、平均して12歳頃に生えてきます。
6歳臼歯の正式名称は“第一大臼歯”、12歳臼歯の正式名称は“第二大臼歯”です。

小児歯科について

 


 

親知らずが出てくるのはいつ頃?
おおよそ18歳~25歳頃と言われています。親知らずの正式名称は“第三大臼歯”。“智歯(ちし)”と呼ばれることもあります。

なぜ“智歯”なのかというと、親知らずは英語でwisdom tooth(知恵の歯)。
『物事の分別がつく頃、知恵がつく頃に生えてくる歯』を意味しています。

それでは、親知らずの語源はどうでしょうか。
これにはいくつかの説があります。
1.昔の人は寿命が短かったので、親知らずが生えてくるころには親はすでに亡くなっているから。
2.親元を離れてから生え始める歯なので、親がこの歯が生え始めたのを知ることがないから。
3.乳歯が永久歯の親と考えてみた場合、親知らずは乳歯から生え替わる歯ではないので親知らずに対応している乳歯=親がないから。
3.については、第一大臼歯も第二大臼歯も当てはまってしまうので、有力な説ではなさそうですね。

さて、話を6歳臼歯に戻しましょう。

 


 

6歳臼歯が虫歯になりやすいと言われる原因
永久歯が生えてくるスピードについて考えてみたことはありますか?
「一定のスピードで出てくる」とイメージしている方が多いのではないでしょうか。
実は一定のスピードではなく、出て止まって出て止まって……を繰り返しながら少しずつ出てきます。
もちろんマリオみたいジャンプして、ある日突然咬む面まで一気に到達するなんてことはありません。じわじわとしか出てきません。
咬む面まで生え切るには時間がかかり、その間、乳歯の奥歯と6歳臼歯との段差が生じてしまいます。


段差があると、普通に歯ブラシを当てても、せっかく仕上げ磨きをしても、ブラシの毛先が歯に当たらず磨けていないことが多いのです。
歯ブラシが当たらず磨きにくい上に、段差に食べ物が溜まりやすいため虫歯菌が大量に集まってきて虫歯になりやすい環境が出来上がります。

 


 

どうやって磨けば良いの?
横から磨いてみましょう。
「え?横?」ってなりますよね。
下の画像を見てください。


このように横から歯ブラシ挿入して磨くと、乳歯との間に段差があっても、6歳臼歯1本をしっかり磨けます。
6歳臼歯が出てきた!と思ったら、ぜひ実践してみてください。

「頬が邪魔して横から磨けない」
確かに写真の模型のようにはいかないかもしれません。
その場合はタフトブラシで磨くことをオススメします。
タフトブラシは先端が尖っているので、1本の歯を集中して磨くのに特化しています。
普通の歯ブラシとは別に、こういった歯ブラシを用意して磨いていきましょう。


 


 

出てきたばかりの永久歯

出たての永久歯は幼若永久歯(ようじゃくえいきゅうし)と言います。
組織的構造は、有機質の含量が多く組織の結晶粒子が小さいので、成熟した永久歯と比べると接触面積が大きいことから化学反応が早いといわれています。
ちょっと複雑な表現ですね。
虫歯は虫歯菌が活動して排出した酸によって歯が溶かされた状態のこと。
我々が運動して汗をかくのと同様に、虫歯菌は活動すると酸を排出します。
幼若永久歯の表面を覆っているエナメル質はまだ成熟していません。
表面は粗造で汚れがつきやすい。
ツルツルな表面より粗造な表面の方が、酸に晒される表面積が大きい。
歯自体の強度も弱いので酸による刺激を受けやすくなるのです。
要するに幼若永久歯は成熟した永久歯と比べると虫歯菌が排出した酸に反応するスピードが速い=虫歯になるスピードが成熟した永久歯より速いということになります。
さらに奥歯の形態は溝が深くて汚れが溜まりやすいので要注意です。

小児歯科について

 


 

仕上げ磨きはいつまで必要?
6歳臼歯が生えてくる頃は、お父さんお母さんが油断しやすい時期でもあります。
幼稚園や保育園を卒園し、小学生に上がる時期なので、「なんでも自分で出来るようになろうね」と言って精神的な成長も促進します。
また、本人から「小学生になったから自分で出来る」と言ってくれる頼もしい子もいます。
しかし、やはり前述したように、6歳臼歯は磨きにくいのが現実です。
なので、仕上げ磨きはまだ継続してください。

仕上げ磨きは永久歯がすべて生え揃うまで継続して!と言いたいところですが、小学生の中・高学年になるとなかなか磨かせてもらえなくなります。
そこで、歯垢染めだし液を購入して、週に1回でもかまいません、ご自宅で時間がある時に染めだして磨かせてください。
磨けていない所や磨き方の癖で磨けていない所がはっきり分かります。

 


 

第一大臼歯である6歳臼歯は矯正を行う上でもかみ合わせの指標となる大事な歯です。
綺麗な噛み合わせで、より素敵な笑顔で、より健康であるためには、健康な歯を維持することがとても重要になります。

食生活習慣の乱れが虫歯の一番の原因です。
虫歯にならないための工夫が描かれたブログがありますので、ぜひ参考になさってください。

 

舌小帯短縮症について

舌小帯短縮症について

ブログ 2021/08/14

こんにちは。
ホワイト歯列矯正クリニック・たまプラーザ 院長の志賀です。

お子さんの舌小帯短縮症に関して悩まれている親御さんも多いのではないでしょうか。
特に発音と摂食嚥下の仕方について悩まれる方が多くいらっしゃいます。
過去には、母乳でお悩みの方もいらっしゃいましたが、舌小帯を切除することに関しては、日本小児科学会によると基本的には舌小帯切除を行う方針ではなくなったようです。

それでは今回は舌小帯短縮症についてお話ししていきます。

 


 

舌小帯が短い(舌小帯短縮症)場合、何歳頃に切除すれば良い?
今から8年程前、小児科医・小児歯科医・言語の先生(言語聴覚士)が、舌小帯短縮症の外科的な手術は何歳頃に行う方針にすれば良いかについて話し合いました。
結論としては5才頃です。

 


 

なぜ5才?
言語の完成時期は5才、医療者の指示に従えようになるのも5才頃ということから、安全に効率よく効果が出るため、切除に適した年齢は5才頃となりました。

 


 

受診してすぐに切除してもらえるの?
まずは舌を動かす筋肉に正しい動きを覚えさせないと切除しても結局は元に戻ってしまいます。
そのため受診してすぐに切除するということはありません。
切除する時期は5才ですが、訓練期間に3か月~6か月ほど。
切除後のリハビリとして3か月から6か月ほど通院して頂き、舌を正しく使えるようにします。
切除しただけでは、舌の可動域が増加しただけで、使用している範囲は切除する前と変化しません。
切除前後の訓練はとても大切です。しっかり練習しましょう。

どんな訓練があるのか、個人で変わってきますので、訓練先の医師・歯科医師・言語聴覚士の指示を仰ぎましょう。

 


 

歯並びへの影響は?

舌小帯の異常による歯並びへの影響は少ないのですが、全く影響がないわけではありません。
下顎の前歯に隙間が出来たり、噛み合わせが受け口になったりします。
その他には、舌小帯短縮による異常嚥下癖の可能性も出てきます。
このような場合は訓練してから切除することもあります。

 


 

言語に不安を感じる方は、まずかかりつけ医や市・区の保健所にご相談ください。
舌小帯の短縮の有無について、しっかりとした診断と訓練が重要になります。

まだまだ、暑い夏は続きますので体調にはお気を付け下さい。

生え変わりの時期

生え変わりの時期

ブログ 2021/08/11

ホワイト歯列矯正クリニック 院長の志賀です。

みなさんは一体いつ頃子どもの歯(乳歯)から大人の歯(永久歯)に生え変わったか覚えていますか?
どんな風に抜け落ちたかは記憶にある方は多いと思いますが、抜けた時期まで覚えている方は少ないのではないでしょうか。

そこで今回は、いつ頃乳歯から永久歯に生え変わるのか、また小児歯科医はどこを注視しているのかをご説明していきたいと思います。

 


 

大人の歯の生え変わり時期と場所
個人差はありますが、平均的な時期は下図の通りです。

 

おおよその生え変わり時期はおわかりいただけましたか?

では、小児歯科医はどこを注目しているのでしょうか。
それは企業秘密………ではなく、年齢と歯の状態を見ています。

上図の生え変わり年齢はあくまでも平均ですので、これに2年ほど足した年齢まで様子を見ることが多いです。
でも、これはあくまでも目安。
レントゲン等の精査を行い、経過を診ていきます。
平均的な生え方をしなかったり、平均的な時期から2年経過しても永久歯が出てこなかったりした場合はより精度の高い検査を行います。

小児歯科について

 


 

なぜ2年?
永久歯は歯の根(歯根)が出来る力を利用して出てきます。
永久歯の根が出来る力をロケットの燃料だと考えてみてください。
歯根が完成してしまったら燃料がなくなって永久歯は出てくることができなくなるのです。

歯根の完成には3年かかります。
2年経過した段階であれば、歯根完成(ロケットの燃料が尽きる)までに、まだあと1年猶予があります。
残りの1年での対応次第で永久歯を出すことができるのです。

その対応については、検査と診断力が必要となってきます。

 


 

歯が出てこない原因
考えられる原因は以下の通りです。
①歯牙腫
②過剰歯
③顎骨嚢胞
④虫歯の重症化により根っこの先に炎症がたまっていた
⑤歯が出てくる隙間がない
⑥もともと大人の歯に位置が変な位置にある
⑦子供の歯の時に強くぶつけた
⑧全身的疾患がある

 


 

それぞれの原因への対処方法
①・②・③
その原因を外科的に取り除きます。


虫歯を治療し、その後はしっかり経過観察をします。
歯が出られなる可能性があるので、とにかく慎重に経過を診る必要があります。

⑤・⑥
矯正治療の必要性がるので、精密検査および分析・診断をして今後の流れについて検討します。
自然に生えてくることが困難な場合、矯正力を使って引っ張り出さなければいけないこともあります。


以前のコラムでもご説明しましたが、こどもの歯(乳歯)を強くぶつけた場合、永久歯が出てくることに影響を及ぼすことがあります。
これも⑤・⑥の場合と同様に矯正力によって引っ張り出さなければいけないこともあります。


全身的な症候群がある場合は、矯正治療が保険でも対応できる時がありますので、かかりつけの歯科医師にご相談してみましょう。

小児歯科について

 


 

いずれの場合のまずはかかりつけの歯科医院への定期的な検診が重要です。
まだまだ暑い日が続きますが、歯科医院への受診も忘れずに。

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